QGISによるデータ分析(8)

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横浜市営地下鉄グリーンラインに乗っていると、地下駅と高架駅が交互に現れる区間があり、起伏に富む地形であることに気付きます。そこで今回は、前回作成した緑区・都筑区・青葉区をカバーする平面直角座標系「JGD2000 / Japan Plane Rectangular CS IX」(EPSG:2451)のラスタレイヤを使用して、グリーンラインの中山駅から東山田駅までの区間の「高低図」を作成してみます。(※地表の標高であり、線路のある高さではありません)

鉄道路線図は、国土数値情報ダウンロードサービス鉄道データからダウンロードします。
日本全国の鉄道路線が1つのSHAPEファイルに入っているため、フィルタを使ってグリーンラインだけを抽出してから、(作成済のラスタレイヤの範囲外の)東山田駅から日吉駅の間は削除します。レイヤのCRSは「JGD2000 / Japan Plane Rectangular CS IX」(EPSG:2451)にします。
ラスタレイヤの上に重ねると以下のようになります。

見た目には1本のラインのようですが、実際には複数のラインに分かれています。このままでは後の処理で不都合なため、複数のラインを1本のラインに「融合」します。
[ベクタ]メニューの[空間演算ツール]→[融合…]を選択し、「融合」ダイアログボックスを表示します。

入力ベクタレイヤとしてグリーンラインのベクタレイヤを指定し、融合フィールドは「全てを融合する」
を選択し、出力シェープファイルを指定して[OK]をクリックします。

次に、この1本のラインから、10m毎のポイントの並びを作成します。
そのためにQChainageプラグインを使用しますので、インストールします。

QChainageプラグインは、[ベクタ]メニューから、[QChainage]→[QChainage]を選択して起動します。

ラインのベクタレイヤを選択し、ポイントの間隔を指定し、出力レイヤ名を指定して[OK]をクリックします。
作成されたレイヤをラスタレイヤの上に重ねて拡大表示すると以下のようになります。

次に、前回使用した「Point sampling tool」プラグインを使用してラスタレイヤから各ポイントの標高を取得します。

QChainageプラグインで作成したレイヤと、Point sampling toolプラグインで作成したレイヤの「交差」をとって作成したベクタレイヤは、以下のような属性を持ちます。

二列目には、10m毎に増加する起点(中山駅)からの距離が、三列目には標高の値が入っています。
Excelで折れ線グラフを描くと、高低図になります。

地下駅の駅名を赤字で、高架駅の駅名を青字で高低図に記入してみました。

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