「雑草という名の草はない」という言葉がよく知られている一方で、道端に生えている草の多くは名前が知られていません。同じように、路傍に立つ古い石造物も、今となってはそれが何なのか知らない人が多くて残念です。
民間信仰に基づいて造立された石造物の分類は、専門家でも一筋縄ではいかないものです。それは、民間信仰そのものの成り立ちが、複雑な歴史的背景を持つことによります。
そこで、あまり深い所には立ち入らず、月待信仰に基づいて造立された月待塔について、画像から分類を試みます。月待塔は月待行事をおこなった「アタリ日」によって分類することができ、塔のどこかに「十九夜」や「二十三夜」のように刻まれているので、これらの文字によって容易に分類することができるのです。
今回構築したシステムで実際に二十三夜塔を認識させた例は以下のようになります。
「三夜」の上にある「サ」のような文字は「廿」です。二十三夜塔は、単に「三夜」と刻まれたり、「念三夜」「廿三夜」「二十三夜」「弐十三夜」と刻まれるなど、さまざまなパターンがありますが、今回は「三夜」の部分だけを認識させることとしました。
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